Ichijoji Sagarimatsu

統計モデリング 生態学のデータ解析・麻雀の解析など

【天鳳】安定段位の収束の可視化

安定段位のシミュレーションをしたので、その結果を載せます。

このテーマ自体はもう何番煎じか分からないような話題ですが、結果が分かりやすく可視化されているのは意外と見ない気がするので、その点で多少は需要があると思い記事にします。

安定段位について、シミュレーションから分かったことを結論から書くと、

・1000戦で1.5〜2.0段、5000戦で0.7〜0.8段 ほどブレる

・強者ほどブレ幅が大きい

・一般に上振れの方が下振れよりも幅が大きい

あたりです。

順番に見ていきます。

この手のシミュレーションは色々な仮定が敷けると思いますが、今回の検証の設定は以下です。


鳳凰卓想定


・真の実力(安定段位)として、1〜4位まで等差順列な着順分布を想定


・X回(X = 100, 400, 1000, 2000, 3000, 4000, 5000, 7000, 10000, 20000)ゲームを行い安定段位を計算する。これを各Xに対して10000回繰り返す。

真の実力:安定七段(.25 - .25 - .25 - .25)

塗りつぶした区間の上限が、10000回の試行のうち安定段位が上位2.5%を、
塗りつぶした区間の下限が、10000回の試行のうち安定段位が下位2.5%を意味します。

また、中央の線は10000回の試行の中央値で、期待される「真の実力」にほぼ一致することが分かります。

たとえ20000戦打ったとしても ±0.3段はブレるようです。

真の実力:安定八段(.265 - .255 - .245 - .235)

真の実力:安定九段(.278 - .259 - .241 - .222)



塗りつぶした区間の上限と下限、すなわち、上振れ2.5%点下振れ2.5%点が、期待される真の安定段位と比べてどれだけブレているのかを図にしたのが以下です。

つまり、各ゲーム数で最大どれくらいの上振れと下振れが起こるか、を示した図です。

安定七段

安定八段

安定九段

なんだか同じような図ばかりで面白くないですが、
後半3枚の図は、真の安定段位が高くなるほどグラフのY軸も大きくなっていることに注目してください。

これはつまり、実力がある人ほど上振れ/下振れのスケール感も大きくなっているということです。

以上3枚の上振れ/下振れ図の結果をまとめた表を載せておきます。

ngamesはゲーム数を、upper_lowerは上振れか下振れかを、
そしてantei7 〜 antei9の列の値が、真の実力が安定7・8・9段の人の、それぞれのゲーム数における、期待安定段位からのブレ幅の上振れ/ 下振れ2.5%点です。

自分の真の実力(は計りようがないですが)とゲーム数でどれくらいブレている可能性があるかの早見表のような感じでお使いください(※ ただしシミュレーションなのでブレがあります)。


表およびグラフより、真の安定段位が高い人は、低い人に比べてブレ幅が大きいことが分かります。

たとえば、1000戦を基準とすると、

真の実力が安定七段の人が、 + 1.52段の上振れ - 1.28段の下振れ を引きうるのに対し、

真の実力が安定九段の人は、 + 1.94段の上振れ - 1.58段の下振れ を引き得ます。


安定七段そこそこで天鳳位を目指している私(やその他多くの人たち)からすると、

デカ目の上振れは実力のあるものに訪れる

という少し悲しい事実が判明したことになります。


あと、常に上振れの方が下振れよりもスケールが大きくなっているのは、
「ラス回避」を連続で続けることで安定段位が天元突破することがあるからだと思われます。

短い期間であればラスなしの安定段位 + Inf段が現れることなどからも、上振れの方がスケールが大きくなることは体感的に分かるのではないでしょうか。


また、安定段位はどこまでいっても安定しないことが分かりました。

収束具合の傾きを見た目で判断する感じでは、2000 ~ 5000戦 くらいが実力を測る上でコスパがいい(?)ですかね。

実力七段なら、3000戦で ± 0.8段ほど、5000戦で ± 0.6段くらいです。

...ってまぁそんな打数ですら普通は打てないですけどね。
というか打たない方がいいと思います。

この記事は以上です。